- M&Aについて
- 2025.04.27
M&Aについて「FAでも仲介でも変わらない長期的全体最適の視点」
M&Aにおける真の成功とは――FAでも仲介でも変わらない「長期的全体最適」の視点
M&Aの現場では、ファイナンシャルアドバイザー(FA)であれ仲介者であれ、立場の違いはあっても、目指すべき本質は同じです。
それは、「依頼主の成功=一時的な条件交渉の勝利」ではなく、長期的視野に立った全体最適の実現にほかなりません。
■ 条件交渉の“勝利”がもたらす逆効果
FAとして依頼主の利益を最大化しようとすると、時に交渉を強気に進め、相手に不利な条件を押し通すこともできるかもしれません。
しかし、そうした短期的な勝利は、その後の関係性悪化や統合失敗という形で、依頼主自身に跳ね返ってくるリスクを孕んでいます。
M&Aは、契約書に署名したその瞬間が「終わり」ではなく、「始まり」です。
企業の未来、従業員のキャリア、顧客や取引先との関係といった“継続する現場”こそが、M&Aの真価を問うステージなのです。
■ アドバイザーに求められる真のプロフェッショナリズム
依頼主のパートナーとして、真の価値を発揮するアドバイザーとは、以下のような視点を持つ存在です:
- 単なる条件交渉にとどまらず、将来の事業シナジーを最大化する契約設計を行う
- 表面的な要望にとらわれず、両者の本質的なニーズを汲み取って創造的な提案をする
- 「譲れないこと」と「譲ってもいいこと」を見極め、両者が納得する合意点を導く
このような姿勢が、成約後のPMI(買収後統合)をスムーズに進め、結果として依頼主の持続的な利益向上に貢献します。
■ 成功とは、数年後の“成果”で証明されるもの
M&Aが真に成功したと言えるのは、契約書に署名された瞬間ではなく、その後数年間でシナジーが実現され、組織が一体となり、新たな価値が創出された時です。
つまり、アドバイザーとしての本当の役割とは、単なる取引の実現ではなく、「両者が未来に向かって前向きに歩める関係」を築くことにあります。
そのためには、FAであれ仲介者であれ、最終的にはWin-Winの関係性に辿り着くような全体最適の視点が不可欠です。
私たちが目指すのは、依頼主の利益を守りながらも、未来にわたって続く企業価値の創造を支える“長期的全体最適型M&A”です。
そのための架け橋となるのが、プロフェッショナルなアドバイザーの本当の役割だと考えています。