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  • 2025.04.29

M&Aについて「トップ面談後の会食を何度も行うことの大切さ」

M&Aにおいてトップ面談後の会食を何度も行うことの大切さ

M&Aにおけるトップ面談は、単なる条件交渉の場ではありません。

面談後に会食を複数回行うことには、形式的な交渉では得られない多くのメリットが存在し、成功確率を大きく高める重要なプロセスとなります。

トップ面談後の会食を繰り返し行うことの主な利点

1. 信頼関係の構築

公式な会議では見えにくい、人間性や価値観を自然な会話の中で知ることができます。信頼の土台は、単なる契約内容ではなく、こうした相互理解から築かれます。

2. 本音の引き出し

リラックスした環境だからこそ、公式な面談では語られない懸念点や本音が表れやすくなります。課題や不安を率直に共有できる関係性の有無は、M&A成功の重要な指標です。

3. 文化的適合性の確認

経営者同士の相性だけでなく、企業文化の親和性もM&Aの成否を左右します。食事を共にする中で、自然体のコミュニケーションから文化的な適合性を見極めることができます。

4. 非言語コミュニケーションの観察

言葉だけでなく、食事中の振る舞いやマナー、周囲への配慮といった非言語情報も、相手の人柄や組織文化を映し出します。これらは表面的な情報よりも、はるかに深い洞察をもたらします。

5. 議論の継続性

会食を重ねることで、交渉とは別の場で自然に話題が深まり、課題の整理や新たな発見につながります。特に問題解決に向けた対話が継続されることは、統合(PMI)を見据えたうえでも極めて重要です。

6. 人間関係の深化

回数を重ねることで築かれる深い信頼関係は、M&A成立後の協働において大きな支えとなります。人間同士のつながりがあるからこそ、難局にも共に向き合える土壌が生まれます。

M&Aは「未来を共に創る」ためのプロセス

M&Aは単なる資本や事業の移転ではなく、未来を共に歩むパートナーシップの形成です。

この観点からすれば、アドバイザーなしで、経営者同士が直接会話できない相手とのM&Aは、成立させるべきではないという考え方も、非常に重要な視点と言えます。

食事の場を通じて、

•本当に共に歩めるか

•困難に直面した際に一緒に課題解決に取り組めるか

•将来に向けて新たな価値を共創できるか

こうした本質的な相互理解を深めることが、M&A成功のためには不可欠です。

特に日本のビジネス文化では、「酒席での付き合い」や「非公式な場での交流」が重視される傾向があり、こうした場で築かれる関係性が、最終的な意思決定に強く影響することも少なくありません。

まとめ

トップ面談後の会食を何度も重ねることは、

単なる儀礼的な行為ではなく、M&A成功に不可欠な信頼構築と未来共創のプロセスです。

単なる条件の擦り合わせにとどまらず、

「共に未来を作ることができるか」を見極めるために、

何度も膝を突き合わせることの大切さを、私たちは重視しています。

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