- M&Aについて
- 2025.04.25
M&Aについて「成功につながる専門家の有効活用」
M&Aにおける各専門家の意見の有効性について
企業の成長戦略や事業承継の手段として、近年ますます注目を集めるM&A(企業の合併・買収)。
しかし、M&Aは単なる売買ではなく、企業の資産・人材・事業・許認可など多様な要素を含んだ極めて複雑な取引です。
そのため、取引を安全かつ円滑に進めるためには、多方面の専門家の知見が不可欠です。
M&Aプロセスにおける専門家の役割
M&Aには、法務・財務・税務・労務・不動産・知的財産・許認可など様々なリスクが潜んでいます。
1人の専門家だけでは、すべてを正確に判断することは難しく、案件の特性に応じて複数の専門家の意見を統合することで、はじめて安全性と成功確度を高めることが可能になります。
以下に、M&Aにおいて特に有効性の高い専門家とその役割をまとめます。
■ M&Aアドバイザー
- 有効性が高い領域: 全体戦略の立案、バリュエーション、交渉プロセス管理
- 強み: 取引全体を俯瞰し、プロセス全体をコーディネート
- 特徴: 実務経験に基づく市場感覚と業界知識が価値を高める
■ 弁護士
- 有効性が高い領域: 法的リスク評価、契約書作成・レビュー、デューデリジェンス
- 強み: 法的観点からの保護と取引の構造化
- 特徴: 複雑な法的問題の解決と紛争予防に不可欠
■ 公認会計士
- 有効性が高い領域: 財務デューデリジェンス、財務諸表分析、会計上の問題点特定
- 強み: 数字面での価値評価と潜在リスクの発見
- 特徴: 会計基準に基づく客観的評価が信頼性を高める
■ 税理士
- 有効性が高い領域: 税務デューデリジェンス、税務スキーム構築、税務リスク評価
- 強み: 税務面での最適化と節税対策
- 特徴: 税制改正の影響を踏まえた実践的なアドバイスが価値を持つ
■ 弁理士
- 有効性が高い領域: 知的財産権評価、特許・商標のデューデリジェンス
- 強み: 技術・知財面での価値評価
- 特徴: 技術系企業のM&Aでは特に重要性が高い
■ 宅地建物取引士
- 有効性が高い領域: 不動産資産評価、不動産取引関連法規対応
- 強み: 不動産資産の適正評価と手続き
- 特徴: 不動産保有企業のM&Aでの専門性が発揮される
■ 中小企業診断士
- 有効性が高い領域: 事業性評価、経営改善提案、PMI支援
- 強み: 経営・事業面での実践的視点
- 特徴: 中小企業特有の課題への理解と解決策の提案が強み
■ 社会保険労務士
- 有効性が高い領域: 労務デューデリジェンス、雇用・労働問題対応
- 強み: 人事・労務面でのリスク評価と対策
- 特徴: 従業員関連の潜在的問題発見と解決に貢献
■ 司法書士
- 有効性が高い領域: 登記手続き、株式移転関連手続き
- 強み: 法務局対応と登記実務
- 特徴: クロージング段階での正確な手続き遂行が価値
■ 行政書士
- 有効性が高い領域: 許認可関連手続き、官公庁届出
- 強み: 行政手続きのスムーズな進行
- 特徴: 規制業種の場合に特に重要性が高まる
専門家の意見を統合することの重要性
M&Aは、「事前準備」「交渉」「契約締結」「引継ぎ(PMI)」まで一貫して複雑な意思決定を伴います。
各分野の専門家の意見を適切に組み合わせ、情報を整理・統合することで、買収後のトラブルリスクを大幅に軽減できます。
特にM&Aアドバイザーを中心に、各士業が連携する体制を整えることで、案件の成否を左右する「総合的視野」での判断が可能になります。
まとめ
M&Aは、取引の規模や業種、条件に応じて関与すべき専門家が変わります。
一つの視点だけでなく、多角的な専門家の意見をバランスよく取り入れることが、案件の安全性と成功率を大きく左右します。
専門家ネットワークを活用し、信頼できるパートナーの意見を交えたうえで、確実なM&A取引を実現しましょう。