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  • 灘井社長のひとりごと
  • 2025.04.13

灘井社長のひとりごと 110話「M&Aという言葉は、売り手の想いには、少し違和感がある」

すべての人を家族と思い歩んでいる灘井です。

今日のテーマは、「M&Aという言葉は、売り手の想いには、少し違和感がある」です。

最近、ビジネスの現場でも「M&A」という言葉が、売り手・買い手のどちらの立場でも自然に使われるようになってきました。
ですが、ふと立ち止まって考えると、売り手側が「M&Aをする」という表現にはどうしても違和感を感じることがあります。

そもそもM&Aとは「Mergers and Acquisitions」、日本語で訳すと「合併と買収」という意味です。
この言葉は、本来買い手側の視点が色濃い言葉です。
企業が成長戦略の一環として「他社を買収したり、合併する」という行為そのものを指しています。
つまり、行動の主体は基本的に「買い手側」にあります。

実際、英語圏では、

買い手側:「We are pursuing an M&A strategy.(M&A戦略を進めている)」

売り手側:「We are looking for a buyer.(買い手を探している)」

と表現されることが一般的で、売り手が「M&Aをする」とは、ほとんど言いません。

ですが、日本ではこの「M&A」という言葉が、少し独特な広がり方をしています。
売り手も買い手も含め、会社の引継ぎ全般を“まとめてM&A”と呼ぶのが当たり前になってきました。

これは、日本語文化の特徴とも言えます。
一つの言葉が、文脈や人の立場によって意味を変え、柔軟に解釈されることがよくあります。
「M&A」という言葉もその一つです。
本来は「合併や買収」という資本取引の用語ですが、売り手側からすれば、

・経営の引継ぎ

・次世代へのバトンタッチ

・信頼できる新オーナーへの承継

といった、もっと「想い」や「未来」を重視したニュアンスがしっくりきます。

私たちもこの仕事を通じて感じるのは、売り手の方々が最も大切にしているのは「誰に託すか」「社員は幸せか」「お客様に安心してもらえるか」といった部分です。
単なる売買ではなく、大切に育てた会社と、そこに関わる人々の未来を想う気持ちです。

だからこそ、私たちは「社外承継」「経営権譲渡」、そして「信頼できる企業グループの一員となり、さらなる成長と安定を目指す」といった表現の方が、実態にも売り手側の想いにも寄り添う言葉だと考えています。

M&Aは単なる金額や条件だけの話ではなく、「想いのバトンを渡す」行為そのもの。
これこそが私たちの考える“承継”の本質です。

最後に、売り手の方の多くが「高く評価してもらいたい」と望む一方で、最終的には「誰に託せるのか」「社員や取引先は幸せになれるのか」「会社の未来は明るいか」を大切にしています。
だからこそ、私たちは、想いを次の世代へつなぐお手伝いをしています。

「社外承継」「経営権譲渡」、そして「信頼できる企業グループの一員として成長と安定を目指す」という選択肢にご興味があれば、ぜひお気軽にご相談ください。
大切に繋ぎたいと思える“信頼できる方”をご紹介できれば幸いです。

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