- 灘井社長のひとりごと
- 2024.09.30
灘井社長のひとりごと 90話「多角化を進める際に」
すべての人を家族と思い歩んでいる灘井です。
今回は、「多角化を進める際に」というテーマでお話ししたいと思います。
事業の多角化を進める際には、SWOT分析やクロスSWOT分析、アンゾフのマトリクスといったフレームワークを活用することで、リスクや機会をより体系的に把握し、適切な戦略を策定できます。それぞれの手法は異なる観点から多角化の検討に役立ちますので、参考にしていただければと思います。
1. SWOT分析
強み(Strengths)、弱み(Weaknesses)、機会(Opportunities)、脅威(Threats)を整理し、現状のビジネス環境や内部資源を把握するのに役立ちます。
既存の事業と新たに多角化を検討している分野で、この分析を行い、会社がどのように競争優位を維持できるか、どのような機会に対応できるかを理解します。
多角化の適合性を判断する際に、リソースや市場への適応能力を見極めるのに有効です。
2. クロスSWOT分析
クロスSWOT分析は、SWOT分析の要素を組み合わせ、具体的な戦略を導き出すための分析です。
・強み×機会(S-O):強みを生かして機会を活用する戦略
・強み×脅威(S-T):強みを使って脅威を回避する戦略
・弱み×機会(W-O):弱みを克服し機会を活用する戦略
・弱み×脅威(W-T):弱みを補強し脅威を最小化する戦略
新たな市場や事業への多角化で、リスクとチャンスのバランスを取る方法を具体化するのに適しています。
3. アンゾフのマトリクス
市場と製品の観点から、成長戦略を分類するフレームワークです。多角化においては特に重要です。
アンゾフのマトリクスは4つの戦略に分類されます。
・市場浸透(既存市場+既存製品):既存市場でのシェア拡大
・新製品開発(既存市場+新製品):既存の市場に新製品を提供
・市場開拓(新市場+既存製品):新たな市場に既存製品を展開
・多角化(新市場+新製品):新たな市場に新たな製品を提供
多角化戦略は最もリスクが高いが、最も大きな潜在成長を期待できる戦略です。アンゾフのマトリクスを使うことで、自社のリソースが多角化に適しているか、どの方向に進むべきかを明確にできます。
4. PEST分析
多角化先の市場環境(政治、経済、社会、技術の観点)を分析するために用いられます。
新たな事業分野や市場の外部要因を理解し、環境変化にどう対応すべきかを検討するために役立ちます。
5. バリューチェーン分析
自社が多角化を進める際に、どのプロセスで競争優位を発揮できるか、または改善する必要があるかを理解するために活用します。
6. ポーターの5フォース分析
新たな業界や市場での競争環境を分析するために用います。業界の競争の強さ、バイヤーの力、サプライヤーの力、新規参入の脅威、代替品の脅威などを検討します。
多角化する分野がどのような競争力を必要とするかを把握するのに役立ちます。
組み合わせの活用方法
1.SWOT分析やPEST分析で現状や外部環境を把握した上で、アンゾフのマトリクスで多角化の方向性を確認。
2.クロスSWOT分析で具体的な行動プランを策定。
3.ポーターの5フォース分析やバリューチェーン分析を使い、実行可能性を検討。
これらの手法を組み合わせることで、より詳細な戦略立案が可能になります。全てを行うのは、大変な作業ですが、少しでも取り入れることで、限りあるリソースの的確な投資ができ、成功確率を上げることにつながると思っております。