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  • 灘井社長のひとりごと
  • 2024.08.16

灘井社長のひとりごと 45話「事業承継における企業価値の試算と未来への視点」

すべての人を家族と思い歩んでいる灘井です。

今日は、「事業承継における企業価値の試算と未来への視点」について考えてみました。

売り手様にとって、想いや事業を託すとしても、当然高い評価を希望されることと思います。多くの場合、時価純資産に営業利益(または経常利益)を数年分掛け合わせた値を足して試算することが一般的です。しかし、これはあくまで簡易的な計算であり、実際の企業価値は各企業によって大きく異なります。

節税を考慮した経費の有無、顧客様や取引先様の数や内容、集客の仕組み、特殊な技術、従業員の年齢や資格、さらにM&A後に顧客様、役員、従業員が残るかどうか、そして、過去や現在だけでなく未来の可能性、売り手様の希望金額など、様々な要素を考慮して企業価値を算出する必要があります。

評価が高すぎると買い手様にとって回収に時間がかかりすぎ、リスクとリターンが見合わないため、他のM&A案件を検討されることになります。しかし、売り手様には、M&A業者の言葉やネットの情報に左右されすぎず、ご自身が人生をかけて築いてこられた事業の価値を過小評価しないように、そして、企業価値と将来を一緒になって考えてくれるようなM&A業者をお選びいただくことを心から願っています。

最終的には、買い手様と売り手様が交渉を通じて歩み寄り、合意に至るものですが、売却時の金額が少なくても、引き継ぎ時の報酬や顧問料、1年後の売上や利益、顧客様や従業員の継続に応じた追加報酬など、買い手様と売り手様の双方が利益を享受できる仕組みを検討する価値があると考えています。これにより、買い手様にとってもリスクが少なく、売り手様にとっても後々まで安心できるM&Aを実現することができるでしょう。

売り手様と買い手様の双方が健全な継続と発展を果たし、数年後にも「本当に良いM&Aだった」と感じていただけるような事業承継を大切にしていただきたいと考えています。

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